法礫少女。

少女が摩天楼の高みをにらみつける。
高層ビルの乱立したこの地域では常に絶え間ない風が吹き付ける・・・。
この風をまとい、少女は一言だけ神に向かい断罪の許しを得る。
それと共に少女の周りに66本の半透明の剣の柄が差し出される。
少女はその差し出された大振りの剣の内の二本を握り、もう一度ビルの上を見つめる。
「光に加護を。闇に断罪を・・・。」
一言つぶやくと少女はビルの頂上に向かい落ちていく。

「見つけた・・・。」
そう言うと少女は剣を立て続けに窓に向かい投げつける。そしてその剣は少女の狙いを違わずに目的のモノに吸い込まれていく。
「グ、グオォオ!」
窓の先にいた『かつて人だったモノ』は苦悶の声を上げながらも窓を突き破ってきた少女の方に向き直り凶刃を少女の方に振るう。
しかし少女はいつの間にか先ほど投げたはずの剣を再び握っておりその刃をことごとく防いでいく。
「とどめ・・・。」
それと共に少女は金色の光りに包まれる。
それはさながらに異分子の存在を許さない純粋なる金色の光りに映った。
「闇に・・・。断罪を」
輝く粒子が雑居の森へと舞い散っていく。
偉業が姿を消した夜のオフィスフロアそこに場違いな乾いた拍手が響く・・・。
「いやぁ、さすがにリビングレジェンド。」
割れた窓の上からのぞき込んだ少年。少女からは見えないが足には天井からロープがくくられている。
「ヴァグランツ風情が失せろ・・・。」
他人には見えない努力を重ねるのが道化の道。
「まぁまぁ、そんなこというなよ。俺たちはそう言う英雄たちを語り継ぐのが生業なんだから。」
「私はそんな趣味はない。」
「いやいや、コレでも俺は顔が広いんだぜ。一緒に連れて行って決してソンはさせないからさっ。リビングレジェンドさん。」
「・・・。勝手にしろ、しかしその呼び名だけは止めてくれないか?伝説というのは英雄が生前に成した偉業を吟遊詩人たちが語り継いで作られる物だ。」
「あんたの成した偉業ってのは確かにレジェンドクラスだが、それすらも越える伝説を作ると俺の勘が言ってるんだ。違ってたらまた考えるよ。」
「南十字 七。お前は?」
「えっ、おれ?五十鈴 九尾」
剣を本来の宝物庫へとしまい込んだ少女は改めて少年の方へ振り返る。
少年の方も屋上からフロアの中に入り込んできていたがその耳は人間の物ではない獣のそれだった。
「唯の詩人かと思ったら狐だとはね。」
「なんのことかな」
「セブンライブスの奴がいやなだけだ。」
「あんな奴らと一緒にしないで欲しいなぁ。まぁ、僕に用があったら駅前のフォーチュンに来てよ。」
そういうと少年は割れた窓ガラスから夜の摩天楼へと消えて行った・・・。




『さて、表記をみる限りアルシャードガイアなんですが片手間に書いていたSSです。
ミスティックのスキル法礫(近接武器を無理矢理投擲し、手元に戻すスキル)でレジェンドの剣王装備「剣の女王&剣王の寵児」を二刀流で投擲しようと言う企画
因みにダメージは固定値で38とか言いますが、これを実現するには筋力をスキルに頼らず19迄上げてからスカウトを11レベル。
ようは15レベルクエスターなわけでそれくらいのレベルになればこんなダメージ軽くたたきだせる訳で・・・。ようはあれだ、こんなのが見たかったと。』





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