詩で刺繍する師の死





時間を架けて編みこんだ心の網がヤミと一緒に解かれてく。
プチプチプチと音を立て、瞬く間に解けていく。記憶のリンクがきれていく


ぼくも君も誰だって、残念ながら有機的、幾らドライになったってヤミの歩みは止められない。
ヤミはどこまで進んで行った?
ぼくが誰だか解るかい?

怖がらなくても大丈夫。ヤミは誰もが持っている。
永き時を生きたなら、ぼくよりそれは身近だね。

すべての網が切れたなら、ぼくが誰だか見えないね。

そんな顔は嫌だから覚えてるうちにさよならを
別れではなく送るさよならを君に


comment:人間に限らず生き物、物までも終わりの時はきます。
しかしその時に人間は歴史や伝記などの記録を残します。
誰かに覚えていて欲しいと言う願いからです。
皆さんはどれくらいの人の記憶を持っているんでしょうか?