砂の城-Sand castle-





誰も居ない砂浜
茜色の海岸
精巧な城
主人の居ない空の城

あの人はどこに行ったのだろう
私をここに残して
静かに寄せる漣が少しずつ、本当に少しずつ切り崩す。
残された温かさすらもさらうように


私にはわからない
いきなり砂遊びする君も。
子供じみた遊びを喜ぶ君も。
遙か遠くに忘れてきたから
君の喜ぶ顔だけが嬉しかった。


そんな君はもう居ない
城の主はもう居ない。
城に込めた思いもあのときの陽の光も今はもう波の彼方
まだ一人で歩けない。


城が君を待っている
だから歩けない
陽の光が壁を焼き、風化する様を眺めてる
せめてもう少しだけ、陽が沈んでも少しだけ
波が城をさらうまで

もう少しだけ居させて欲しい…
考えることはいくらでもあるから
城にサヨナラと背を向ける事ができなかった私の最後のワガママ…


 

comment:乙女乙女してるな・・・。

いやそれは兎も角どこかに同じタイトルの曲が合ったような気がする